×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
◆まざ~ずでいの思い出中編(?)◆
気がつくと
ポーキーは、小高い丘の上に居た。
頭上には澄んだ青い空が一面に広がり、太陽の柔らかい光が降り注いでいた。
草が揺れ、暖い風が彼の頬を撫でて行く…
ポーキーは、ただそれを眺めていた。何故自分が、急に息苦しい自分の部屋でなくて、
こんな訳の解らない場所に居るのだろうか、という事さえ考えなかった。
ただ、眺めていたのだ。
ポーキーが丘の下に広がる街をぼんやりと見つめていると、ふと誰かがこちらへ近付いて来るの気配を感じた。
ポーキーは驚かなかった。極めて落着いて、そちらへ、ゆっくりと注意を向けた。
そこにいたのは、一人の少年だった。
一人の金髪の少年。
こちらへ走って来る。
そこでポーキーは、初めて自分が、その場において普通の存在では無い事に気付いた。
何故だかは解らないが、ポーキーには自然と分かったのだ。
ポーキーの存在は誰にも見えないし、聞こえない。
体も無い。ただ、意識だけが、ユウレイの様に浮んでいる………
そして彼自身はそれに対してさほど疑問は持たないのであった。
ポーキーは、少年を観察する。
小学校低学年くらいだろうか。少し太り気味で、見るからに『駄目人間』。
口はちゃんと閉まっていないし、髪の毛はボサボサ。シャツの上から着た青いサスペンダーは、
片方が肩からずり落ちている。
――だめ駄目だめダメ野郎だな!
ポーキーは嘲け笑った。見た目からしてここまで駄目な奴は今まで見た事が無い。
ポーキーの側に近付いて来る大ばか野郎の大人どもでさえ、
少なくとも見た目くらいはキチンとしているものだというのに。
といっても、結局はポーキーの長い間旅するうちに培って来た『独裁者の目』に
本心を見透かされてしまうのだが。
………そうしている間にも、金髪のだめ駄目ダメ少年は、丘の更に上の方へと走っていく。
途中途中激しく息切れして休みながら、ではあったが。
ポーキーはその様子をしばらく無言で見つめていたが、
急に何やら悪意のこもった笑みを浮べ、宙を滑る様にして後を追い始めた。
「馬鹿なやつを観察するほど面白い事は無いのさ」
少年は、それほど遠くまでは行かなかった。
丘の上の二軒の家の前まで来ると、ゼイゼイ言いつつもやっと足を止めた。
ポーキーは、それを傍観しながら自分が咳込んだ時より辛そうじゃないか、と少し呆れた。
少し落着くと、少年は二軒の家のうち、小さい方の前に立った。
そうして家の真ん前に立ったまま、何かを待つ様に、じっ と
自分がさっき通って来た道を眺めはじめた。
約二分後、少年は面倒になったのか、周りをうろうろし始めた。
最後には同じ場所をぐるぐる ぐるぐる…………
「おえっ」
一人で吐きそうになっている始末。
「ばっ……馬鹿……!」
あまりのアホさにポーキーは吹出してしまった。
――にしてもこいつ、何を待ってんだ……
相変わらずニヤニヤしながらポーキーは思った。
…といいつつ、彼は何だか「それ」を知っている様な気がしなくもなかった。
――なんなんだこの気持ちは……
「○ー○ー…?何してるの?」
金髪の少年とポーキーは、ほぼ同時にビクッ とした。
吐きそうになって俯いていた金髪の少年が、ゆっくりと顔を上げた。
と 同時に、ポーキーも恐る恐るそちらに顔を向けた……
そこにいたのは…
(③へ続く)
気がつくと
ポーキーは、小高い丘の上に居た。
頭上には澄んだ青い空が一面に広がり、太陽の柔らかい光が降り注いでいた。
草が揺れ、暖い風が彼の頬を撫でて行く…
ポーキーは、ただそれを眺めていた。何故自分が、急に息苦しい自分の部屋でなくて、
こんな訳の解らない場所に居るのだろうか、という事さえ考えなかった。
ただ、眺めていたのだ。
ポーキーが丘の下に広がる街をぼんやりと見つめていると、ふと誰かがこちらへ近付いて来るの気配を感じた。
ポーキーは驚かなかった。極めて落着いて、そちらへ、ゆっくりと注意を向けた。
そこにいたのは、一人の少年だった。
一人の金髪の少年。
こちらへ走って来る。
そこでポーキーは、初めて自分が、その場において普通の存在では無い事に気付いた。
何故だかは解らないが、ポーキーには自然と分かったのだ。
ポーキーの存在は誰にも見えないし、聞こえない。
体も無い。ただ、意識だけが、ユウレイの様に浮んでいる………
そして彼自身はそれに対してさほど疑問は持たないのであった。
ポーキーは、少年を観察する。
小学校低学年くらいだろうか。少し太り気味で、見るからに『駄目人間』。
口はちゃんと閉まっていないし、髪の毛はボサボサ。シャツの上から着た青いサスペンダーは、
片方が肩からずり落ちている。
――だめ駄目だめダメ野郎だな!
ポーキーは嘲け笑った。見た目からしてここまで駄目な奴は今まで見た事が無い。
ポーキーの側に近付いて来る大ばか野郎の大人どもでさえ、
少なくとも見た目くらいはキチンとしているものだというのに。
といっても、結局はポーキーの長い間旅するうちに培って来た『独裁者の目』に
本心を見透かされてしまうのだが。
………そうしている間にも、金髪のだめ駄目ダメ少年は、丘の更に上の方へと走っていく。
途中途中激しく息切れして休みながら、ではあったが。
ポーキーはその様子をしばらく無言で見つめていたが、
急に何やら悪意のこもった笑みを浮べ、宙を滑る様にして後を追い始めた。
「馬鹿なやつを観察するほど面白い事は無いのさ」
少年は、それほど遠くまでは行かなかった。
丘の上の二軒の家の前まで来ると、ゼイゼイ言いつつもやっと足を止めた。
ポーキーは、それを傍観しながら自分が咳込んだ時より辛そうじゃないか、と少し呆れた。
少し落着くと、少年は二軒の家のうち、小さい方の前に立った。
そうして家の真ん前に立ったまま、何かを待つ様に、じっ と
自分がさっき通って来た道を眺めはじめた。
約二分後、少年は面倒になったのか、周りをうろうろし始めた。
最後には同じ場所をぐるぐる ぐるぐる…………
「おえっ」
一人で吐きそうになっている始末。
「ばっ……馬鹿……!」
あまりのアホさにポーキーは吹出してしまった。
――にしてもこいつ、何を待ってんだ……
相変わらずニヤニヤしながらポーキーは思った。
…といいつつ、彼は何だか「それ」を知っている様な気がしなくもなかった。
――なんなんだこの気持ちは……
「○ー○ー…?何してるの?」
金髪の少年とポーキーは、ほぼ同時にビクッ とした。
吐きそうになって俯いていた金髪の少年が、ゆっくりと顔を上げた。
と 同時に、ポーキーも恐る恐るそちらに顔を向けた……
そこにいたのは…
(③へ続く)
PR
Comment
カレンダー
02 | 2025/03 | 04 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 |
リンク
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[11/05 エクサ]
[11/02 Sion]
[10/31 エクサ]
[10/30 Sion]
[10/29 エクサ]
最新記事
(11/05)
(11/03)
(11/02)
(11/02)
(11/01)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
エクサ
年齢:
34
HP:
性別:
女性
誕生日:
1990/11/03
職業:
学生ー。
趣味:
ゲームしたり音楽を聴いたりとか。
自己紹介:
適当こそ成功への架け橋!!!!!といっても無気力な適当はだめですよ。適当に適当でなくてはならないのですね!(((
ブログ内検索
最古記事
(01/02)
(01/03)
(01/05)
(01/06)
(01/06)
カウンター